2019年8月26日月曜日

月刊Hanada 10月号

100歳まで元気に

コバヤシ鍼灸院


第93回「異状のもとは『ネック』にあり」





外傷というと
なにやら結構血が出たりして
さらには骨にヒビが入るくらいの
響きを持ちがちですが、
怪我というと
それこそ数えきれないほど
日常的に起こることのような……。

実は全部外傷と言えるのですが、
注意が必要なのは、
骨が衝撃を受けた場合が多いようです。

打った部位が骨折なんていうのは
わかりやすいけど、
転倒などで受けた振動が
脊柱なんかに届いてることが
結構あるのですよ。

その中でも首(ネック)は
かなり特殊な部位と考えられます。

首を打つ、ということは
あまり無いけど、
むち打ちという言葉があるように
首が急激に必要以上にしなる場合が
結構あったりします。

考えてみると首って
ものすごく無防備な状態。
体のすべての指令を出す脳と
体の動きをまかなう胴体が
7個の骨を筋肉で包んでいるだけで
繋がっているとは……。
かと言ってあんまり固定されてても
不自由極まりない訳ですが。

なので、思いもよらないことでも
首には衝撃が加わっているのです。

わたしは小学校の頃、鉄棒から落ちた
ということを問診で思い出しました。
どこか怪我をした感覚は無く、
親にも先生にも言うほどのこと
ではない、と思っていました。
ところが、これは立派に外傷です。